日帰り大腸ポリープ切除
ほとんどの大腸がんは、放置した大腸ポリープから発生します。そのため、大腸ポリープの段階で切除してしまえば、将来の大腸がんを防ぐことになります。大腸カメラ検査で大腸ポリープを発見した場合、その場で内視鏡的に切除することが可能です。当日中にご自分で歩いてご帰宅できるため、検査と同時の切除は日帰り大腸ポリープ手術と呼ばれています。
日帰りで受けられるほど安全性の高い手術ですが、ご帰宅後は安静を保っていただくなど合併症を起こさないための制限がいくつかあります。たとえば刺激物やアルコールを控えるなどで、ほとんどの制限は数日間、長くても1週間程度です。制限の期間には個人差がありますので、医師の指示に従ってください。
なお、大腸カメラ検査時のポリープ切除については、事前に患者様にご説明し、ご納得いただいてから行っています。切除後には出張や旅行を1週間程度控えていただく必要があるため、検査日を決める時にその可能性も考慮した上で検討いただく必要があります。
大腸ポリープとは
大腸粘膜にできる隆起性の病変で、腫瘍性のポリープと非腫瘍性のポリープに分けられます。腫瘍性のものは病理学的に分類すると腺腫であり、成長すると腺がんである大腸がんになります。非腫瘍性のポリープも一定の大きさに成長すると腫瘍化するため、こちらも切除を行います。
大腸カメラ検査時にポリープを見つけた場合、その場で切除が可能です。改めて切除のためのスケジュールを作らなくてすみますし、切除を行ったとしても検査全体の所要時間は30分程度です。
内視鏡的ポリープ切除術
コールドスネアポリペクトミー
高周波電流を使わず、締め付けて切除するため直後には出血がありますが、すぐ止血されます。穿孔や遅発性の出血がない安全な手法です。
大腸ポリープ切除後の注意点
切除後は出血などの合併症を起こす可能性があります。術後約1週間は出血が起こる可能性がありますので、それを予防するためにいくつかの制限があります。
ポリープの大きさ、処置の内容、個数などにより、制限内容や日数は変わってきますが、ほとんどは数日間、長くても1週間程度の制限です。
出血があった場合
便に少量の血が混じる程度でしたら、数日で止まりますので心配はありません。ただし、出血量が多い、また出血と同時に痛みもあるなどが起こった場合には、当院へご相談ください。
食事や入浴について
基本的に普通のお食事で構いませんが、当日の食事は刺激物や油脂分の多いものを控えてください。また、入浴に関しては血流が促進されると出血の可能性が高くなってしまいますので、当日は軽いシャワーを程度にしてください。翌日からは特に制限なく入浴いただけます。
旅行や出張
切除から1週間程度は旅行や出張を控えていただく必要があります。そのため、大腸カメラ検査の日程を決める際には、旅行や出張のスケジュールも考慮する必要があります。特に飛行機は気圧の変化があるため出血する危険性が高くなっていますので注意が必要です。また、海外などの遠方ではトラブルへの対応が難しいため1週間程度は控えていただく必要があります。
その他
血流を促進させるアルコールは数日間、厳禁です。指定された期間、禁酒をお守りください。
また散歩程度でしたら当日から可能ですが、ゴルフやテニス、ジョギング、水泳などの運動は指定された期間、控えてください。基本的に激しい運動、腹圧のかかる運動は1週間程度控えていただきます。内容にもよりますので、ご相談ください。
