肝臓は「沈黙の臓器」ともいわれており、他の臓器と比較しても、症状がでにくい臓器であるとされています。脂肪肝についても、際立った症状が出ないことが多いです。
言い換えると、症状がでているときは病変が悪化している可能性が高いため、下記のような症状がある方はすぐに医療機関をご受診ください。

• 最近、急激に太った気がする
• 倦怠感が続く
• 頭がボーっとすることが増えた
• 健診で肝機能異常を指摘された

放っておくと肝硬変や肝臓がんに繋がるリスクがありますので放置せずに医療機関を受診しましょう。

脂肪肝は、中性脂肪が肝臓に蓄積する病気です。

• 食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足
• 肥満、無理なダイエット

などによりエネルギーとして使い切れなかった糖質や脂肪は中性脂肪に変わり、身体の倉庫である肝臓に蓄えられます。

中性脂肪が蓄積されて発症する病気ときくと肥満体型の人だけがかかる病気というイメージがありますが決してそんなことはありません。

• アルコールを多く飲む人（アルコール性脂肪肝）
• 食事の栄養が偏っている人（無理なダイエット）

は、痩せていても脂肪肝のリスクが高くなります！
今は日本人の4人に1人が脂肪肝と言われており、決して珍しい病気ではありません。

脂肪肝は、超音波検査やCTスキャンなどの画像検査と血液検査とをあわせて診断します。
血液検査ではALT（GPT）、AST（GOT）の値が50〜100 U/L前後に上昇する場合が多く、γ-GTPやコリンエステラーゼ（ChE）なども高くなります。
ただし血液検査で異常がみられなくても、画像検査によって脂肪肝が認められることもあります。

治療の基本は生活習慣の改善です。

バランスの取れた1日3食の食事

• 主食1品、主菜1品、副菜2品

糖質・脂質を過剰に取らない

• お菓子やジュースは控える
• 果物は旬のものを楽しむ程度に

野菜や海藻、きのこ類を積極的に食べる

• 野菜は1日350gを目標に

アルコールを控える

• アルコールの代謝過程で肝臓に脂肪が溜まる
• 「おつまみ」もカロリーが高いので注意

定期的な運動を意識する

• 脂肪は筋肉で燃えるため、筋力トレーニングが効果的
• 脂肪の燃焼は運動開始後10分後以降のため、1日30分以上の有酸素運動（ウォーキングや軽いジョギング）を継続する

当院の肝臓内科専門外来の特徴をご紹介致します。