糖尿病とは
糖尿病とはすい臓から出るインスリンというホルモンの働きが弱いか働かなくなるために血液中のブドウ糖の量を調整する機能が壊れ、血液中の糖の濃度が不安定になってしまう病気です。
糖尿病の症状
- 最近、喉がすぐにかわく
- 急激に痩せた
- 尿の頻度が多くなった
- 疲れやすい
- 切り傷や皮膚の傷が治りにくい
- 手足の感覚が低下する、チクチク刺すような痛みがある
- 健康診断で糖尿病を指摘された
上記症状がある方、あるいは糖尿病だとわかっているが治療をためらってらっしゃる方は、ぜひ一度当院を受診ください。
糖尿病には遺伝子やウイルス感染が引き金でインスリンを作っている細胞が破壊されインスリンが作れなくなる「1型糖尿病」「2型糖尿病」「その他の糖尿病」「妊娠糖尿病」の4種類があり、それぞれによって治療内容が異なります。
1型糖尿病
遺伝子やウイルス感染が引き金でインスリンを作っている細胞が破壊されインスリンが作れなくなる糖尿病を指します。1型糖尿病は病気が進んでいくとインスリンがほとんど作れない状態となり、生きるために注射でインスリンを補う治療が必須となります。
2型糖尿病
遺伝的要因、加齢(40歳以上から2型糖尿病になりやすいと言われる)、過食・早食い・ドカ食い、高脂肪食の摂取、運動不足、肥満、食事の時間が不規則、ストレスが引き金となりインスリンの分泌量が少なくなったり働かなくなったりするものが2型糖尿病です。糖尿病患者の約95%は2型糖尿病になります。2型糖尿病は早期の段階では食事療法や運動療法で糖尿病の進行を遅らせることが出来ます。
その他の糖尿病
遺伝子異常、すい臓や肝臓の病気を持っていて手術をしたことがある方、内分泌疾患を持っている方(血糖値を上げるホルモンの分泌過剰がある)、治療でステロイド薬を使用していることが引き金で起こる糖尿病を指します。
妊娠糖尿病
主に高齢妊娠(35歳以上での妊娠)が原因で起こるのが妊娠糖尿病です。妊娠中はお腹の赤ちゃんへ多くのエネルギーを送るため、お母さんの血糖値が低くならないよう、インスリンの働きを抑える作用があるホルモンが胎盤から分泌されています。その影響で妊婦さんは通常よりも血糖値が上がりやすい体質になります。妊娠糖尿病の場合、出産後は血糖値は正常化することがほとんどです。しかし、妊娠糖尿病を発症した方は将来、本当の糖尿病を発症するリスクが高いと言われていますので、出産後は定期的な検査を受けるようにしましょう。また念のため、元々糖代謝異常がなかったかどうかを出産後に確認されることもおすすめします。
糖尿病は早期発見で進行を遅らせる事ができる病気です。貴方のQOL(生活の質)の確保のためにも気になる症状がある方は当院をご受診ください。
※インスリン導入が必要な患者様、合併症への対応が必要な患者様は専門医療機関に紹介させていただきます。
糖尿病の原因
私たちは普段、食物から栄養を摂っています。その中で、「糖質」という栄養素が主なエネルギー源になります。糖質は消化作用により分解されてブドウ糖となり、血液中に取り込まれます。ブドウ糖が血液中に溶け込んでいるものを血糖と呼び、その濃度のことを血糖値といいます。
血糖はすい臓から出るインスリンというホルモンにより、全身の臓器へ取り込まれます。インスリンは血液中のブドウ糖濃度が高くなると分泌されて全身の臓器のエネルギーを必要としてるところへ運んでくれます。これにより血糖値は下がり、全身の臓器ではブドウ糖をエネルギーとしたり万が一の状態に備えて体内に蓄えられたりします。
しかし、インスリンの分泌量が少なくなったり、あるいは何らかの理由で効きが悪くなったりすると、血糖が全身の臓器へうまく取り込めなくなってしまいます。そうすると血糖値は高いままとなります。この状態が続くのが糖尿病です。
糖尿病の合併症
血糖は生きていく上で非常に大切なものですが、たくさんあると良いというものではありません。血糖値がずっと高いままで放置されると、血管に負担を欠けることになり、その結果血管が傷つき、動脈硬化を引き起こします。細い血管の動脈硬化は失明や腎不全を、太い血管の動脈硬化は心臓病や足の壊疽(腐ること)といったより重い病気を引き起こします。このように糖尿病患者が糖尿病が原因で他の病気を患ったものを「糖尿病合併症」といいます。
糖尿病合併症は非常に怖いものですし、ある程度のところまで進行してしまうと残念ながら元の健康な状態に戻すことが非常に難しくなってしまいます。しかし、早い段階から糖尿病の治療をきちんと行い、血糖値が良好な状態をしっかり維持できさえすれば、糖尿病合併症の進行は抑えることができます。それゆえ早い段階での治療開始の検討が非常に大事になります。
糖尿病の三大合併症
糖尿病の三大合併症と呼ばれる「糖尿病性網膜症」・「糖尿病性神経障害知覚鈍麻」・「糖尿病性腎症」は糖尿病に特有、すなわち糖尿病だけで起こる障害です。これらは主に、高血糖によって、細い血管が損なわれる結果発症します。
糖尿病性網膜症
目には細かい毛細血管が縦横に張り巡らされています。特に、光や色を感じる神経細胞がぎっしり集まった網膜には毛細血管が多く、高血糖によりダメージを受けやすい場所です。動脈硬化によって網膜の血管が狭窄や閉塞を起こすと網膜が損傷し、視野の一部分が欠けてしまうなど視力に大きく影響します。進行すると大出血や網膜剥離を引き起こして失明に至るケースもあります。
糖尿病性神経障害知覚鈍麻
手や足などの末梢神経に障害が起こり、手足のしびれ、軽い痛みなどが起こります。進行すると筋肉の萎縮や筋力低下、立ちくらみ、胃腸の不調、発汗、ED(勃起不全)などの神経障害による症状が現れるようになります。特に怖いのは、痛みなどに気付ききくい感覚の鈍麻です。これによりケガやヤケドに気付かずに、潰瘍から壊疽を起こして足の切断に至るケースや、無痛性心筋梗塞を起こすこともあります。
糖尿病性腎症
腎臓は血液を濾過して尿を作っています。濾過する部分には糸球体という組織があり、ここにたくさんの毛細血管があります。この部分の毛細血管が高血糖で損傷を受けると尿を作れなくなっていき腎不全になります。こうなってしまうと、機械で血液の老廃物などを取り除く人工透析を週に2~3回、受け続けなければならなくなります。頻繁に病院通いをしなければならないため、生活に大きな支障がでてきますし、健康に対するさまざまなリスクも高くなってしまいます。
糖尿病の治療
現代の医学ではまだ糖尿病を完治させることはできませんが、血糖値を正常に保つことで糖尿病の進行を抑制することはできます。血糖値を正常にコントロールすることができれば、動脈硬化のリスクが抑制できますし、合併症を防いで健康な状態を維持することが可能です。
糖尿病の治療としては主に4つ挙げられます。
- 食事療法
- 運動療法
- 薬物療法
- インスリン療法
特に重要なのは、食事療法と運動療法です。医師の指導のもとで、適切な食事内容や運動をしっかり行うだけで正常な血糖値にコントロールできるケースもあります。かなり進行している場合や、食事や運動だけでは血糖値が十分に下がらない場合には薬物療法やインスリン療法を併用して正常な血糖値をキープしていきます。
上記の内容にご質問がある方、健康診断で糖尿病の可能性があると指摘を受けた方、あるいは糖尿病だとわかっているが治療をためらってらっしゃる方は、一度当院をご受診ください。24時間WEB予約を受け付けております。